09.07.2007 弓具について

近年では男子で15から18kg、女子で12から15kg位の弓 が一般的に使用されている。昔は竹弓で現 在の弓力に10kg位加えたものが多く使用され てきた。何故近年になって弱い弓が使用さ れるようになったのであろうか?それには 幾つかの理由がある。

  • グラス又はカーボン素材の弓の普及により、矢飛びが弓力に比べ向上した事。
  • 20kg以上の新素材の弓は離れ後の反動が強すぎる為
  • 審査評価が変化し、柔らかい奇麗な離れ良しとの風潮が強くなった為
  • 一般的に矢数が少なく、よって強い弓が引けなくなった。
  • 強い弓は射型を崩す原因にもなるために指導者が引かせたがらなくなった。
  • 指導者層の年代が若くなり、指導者自信が強い弓を引いていないため。

まだまだ色々な要素が考えられるが、不思 議な事に使用している道具については弓が 弱くなったにも関わらずあまり変化がない のではないかと思われる。

ゆかけについて
極端に言えば12-13kg位までは角入りは必要ない と思われる。これは帽子を起こす力が弱い ために指先を開いたり、緩めたりしないと 離れが出ないからである。弱い弓は安心し て弦に預けられる柔らかいゆかけを薦める 。これにより、力みがとれ射型が整いやす い。 通常に店先で売られているゆかけは18kg以上 の弓を想定されて作られているくらい丈夫 に作られている。

矢について
矢の目方で最近の傾向を見ると男子は2015(1mで 約30g)、女子は1913(1mで約26g)のアルミの矢が多 く使用されている。アルミの矢は重心、箆 のしなり、肉厚、直径等均一しており、競 技用としては優れていると言える。又新素 材の弓は瞬発性に優れており、離れ後に急 激にかかるしなりに強いアルミ又はカーボ ンの矢が適してい ると言えよう。 しかし、竹弓は新素材の弓と比べ、瞬発力 に劣るが、深い裏反りの為に矢の発射時に 最大の推進力が出る働きをする。この為に 個人的には竹矢はしなり易く、戻る力が強 いために、弓から徐々に強くなる力をしな りによって受け流し、又力を矯めつつ、発 射の瞬間に強く戻りӖ 8;つ放たれる働きをすると思っている。反対 にアルミの矢はしなりに体する力が強すぎ て、弓からの力を矯めない為に、弦からや や早く分離する感じがする。このように矢 も使用している弓に合わせるべきであると 思う。 竹矢を観察すると、4つの節があり当然この 節の部分はしなりに強い。よってしなりが 矢全体にかからず、分散される事に成る。 節の間隔は矢の先に行くほど狭く、肉厚は 厚くなることから、しなり、振動ともに矢 先に行くほど少なくなる。又矢の重心は自 然と前方へ向き、よって矢の推進方向、矢 所がまとまりやすいと 言える。

弦について
新素材の弓であれば、新素材の弦の方が丈 夫で、弦切れで弓への負担をかけない意味 でも適している。又弦表示では1-5号の記載が 一般的であり、数字が大きくなるほど重く 、太くなる。 竹弓には麻弦を薦める。但しヨーロッパの ように湿気がかなり低い地域では弦切れし やすい。適度な弦切れは弓の力を回復させ るのに良いが、弦切れの頻度が高すぎる場 合は新素材の弦を時々使用するといい。又 これは替弦としてもよい。麻弦は1.8-2.2匁位が 使用されており、強い弓には重い弦を使用 する。

弓について
特に初心者には弱い弓で先ず力みをとり、 射型を作ることが重要である。ある程度射 型が整ってきたら、次第に弓力を上げ、理 想の弓力を見つける事が必要となってくる 。あまり弱すぎる弓を使用すると、精神的 、肉体的に遊びが出来やすくなり、引き方 も腕で引くようになる。自己にあった弓力 の弓を使用した場合、体、骨組をつかって 引く事が出来るようになり、精神的、肉体 的に攻めていく射になり、射型も自分の個 性が出来てくる。理想の弓力を計るには一 般的には以下の事が言える。

  • 通常同じ強さの弓二張りを同時に肩入れ 出来る程度の弓力
  • 男子で理想体重(身長cm-100x0.9)或は実際の体
  • 重何れか小さい値の30%(初心者25%)、女子 (身長cm-100x0.9)で25% (初心者20%)

ちなみに筆者の弓力は上記の約43%である。 通常は2-3kgつづ上げているのが理想的である と聞くが、ある程度の強さまでは気にせず に一気に上げる勇気も必要となるであろう 。弓力を上げる事によって今までいかに手 先、筋肉に頼って弓を引いてきたのかが分 かる。また一度骨格が使えるようになると 、離れは体の伸びで得られる事であるのが 分かる。これはもはや 腕の筋力や、手先のみの技術の及ばない域 に達する。強すぎる弓は嫌われるが、弱す ぎる弓で腕で引き続けるよりは、やや強す ぎる弓でそれを乗り越えていく努力をする 方が、修行道と言えるのではないだろうか 。これはあくまで私的 意見であるので、強い弓を皆に薦める意味 では無い事を了解してもらいたい。弓力は 当然の事ながら各々の骨組(体格)、体力 、性格、年齢、稽古(頻度)量、射法(射 型)の完成度を考慮しなければならない。