04.01.2009 指導方針について

最近はここ数年に渡っての指導 方針の誤りに気づき、反省して いる。
一般にどんなに良い指導方法を 用いても、それぞれの指導を受 ける人によって効果は変わって くる。しかし生徒の射は自己の 指導の鏡といわれるように、全 体的に均一していることに気づ いた。

現在までの指導方法
通常は約半年から1年目までは 巻藁前で射形、礼儀、作法を整 える。この時期にできた射形は 今後の土台となるので特に気を つけている。この時期に定期的 に稽古に来ない人は1年経って も射形が定まらず、結局的前に いっても基本の型をつくるのに 時間がかかる。将来の型(体、 心)はこの巻藁の時期に7
割5分位は決定されるといって もよいだろう。
今までは、この巻藁前の時期か ら、的前約1年、計2年間は初 期かなり作法等厳しく指導する 。
通常はこの時期に入れ替わり立 ち代わりで、次の初心者が入門 してくるので、実際の指導はこ の1-2年目の人への指導でいっぱ いと成る。その後は、出来るだ け自分の力で道を求め、見極め 、邁進していく、武道精神を養 ってもらう為に、稽古中は見守 って入るが、特に指導しない。 これは指導する側にとって
もつらい事だが、日本武道の厳 しさと自己習得の重要性をドイ ツ人に無言で理解してもらうに は、この方法しかない、と思っ てのことであった。

その結果
結果としては、初期に一射毎に 色々と修正された人は、指導さ れる姿勢が変わらず、見取り稽 古、工夫稽古、矢数稽古等上手 く行っていない。早気が出始め たり、やる気がなくなったり、 射が荒くなったりとかなり悪い 方向へ行っている。
もちろん始めの時期は、助言に 留め極端な修正を行わなかった が、これだけ癖が出始めると果 たして自己で修正していくか、 或は癖が病気になり、このまま 死んでしまう(弓を止める)の ではないかと心配している。人 生においてもそうであるように 、弓道でも自己で常に健康体で いられるように管理することが 必要である。一旦癖がでたり、 病気になる事はあっても人間は 再び健康体になる能力をもって いるが、重要な事は、癖、病気 を伴わないように一射毎に気を つける事しかない。

今後の方針について
やはり、国民性なのか無言での 指導に慣れていないせいであろ うか、言われた事は率直に行う が、言われないと自己で考え、 自己の道を求める姿勢が薄い。 このままでは上級者全てが癖に 陥ってしまう恐れがあるので、 徐々に以前のようにかなり頻繁 に修正してあげなければならな いと残念ながら思っている。
又助言に留めた指導であると、 強制修正ではないので、ほとん ど意味がなかったようである。 初期の時期の如く、厳しく絶対 的な指導でないといけないよう である。又指導する側が本気で ないと、指導を受ける側も本気 になれるであろうか?
又一般的に指導者自身の射が良 い時と悪い時は、生徒の射に直 接反映されている。恐ろしい事 である。指導者が良い射が出来 ないと結局は、生徒も伸びない。

今後はやや指導方針を替え様子 を見たく思っている。又長期的 な視野をもち、焦らずじっくり と育てていく気持ちもたねばと 自己に言い聞かせている。将来 的には早く自分を超える人材が 育ってくれる事を祈っている。 弓道では射法の稽古でも四苦八 苦するが、指導においても、も ちろんまだまだ経験が浅いが色 々と失敗を繰り返していくしか 他に方法はないと思っている。