26.01.2009  和弓の捻りについて

和弓では、矢が弓の右側に乗って おり、洋弓のようにセンターショ ットが不可能である為、弓に捻り が加えられ、このことにより、矢 は弓に妨げられることなく、的へ 運ばれる。

詳しいことは、2006年3月14日の離れ時 の弓と弦の動き を参照して頂きたい。

左手の内と弓にかかる捻りの 力について

日置流印際派では、手の内の中心 を弓の左から見て3対7或いは4対6 位で弓にあて位置を変えることな く、会へもっていくのが理想とさ れている。この角度は矢と弓から みると(90度)大体27度(36-18度)位 となる。
このまま会へ持っていくと左手親 指と人差し指の間の皮が捩れる分 だけ角度は戻り(反動体、バネの 働きをする)、実際に会では、弓 自体にわずかな捻りの力が加わっ ているだけである。弦の高さが15cmで 、弓の幅と弦通りにより角度は異 なるが、理想の弓の捻り角度は6-8度 程度といえるであろう。 

その為には握りの幅、高さ(皮が 捻られる面積)が手に合っており 、又手首(手の内の中心)が弓を 真っ直ぐに受けていることも重要 である。このように、正しい位置 に左手が収まっていると、理想の 捻りが弓に加えられるといえる。

弓が自然に捻られる射法につ いて

矢を真っ直ぐに飛ばす為に弓を 捻る射法が出来上がったのは間 違いないが、多くは左手でやみ くもに弓を捻っていないであろ うか? 左手は弓から受ける力がつぶれ ないように、緩まないようにす るのみで、特に左手で弓に更な る捻りを加える必要はない。実 際には右手で弦を体に寄せるに 従って、弦は弓の左側(時計方 向)へ移動する。このために弓 はその反対方向へ捻られるとい える。矢束の緩みは肉眼、又は ビデオを通して確認できるが、 捻りの緩みはほとんど見ること ができない。結局は弓を体に預 け、残身まで弓、弦を左右に開 き続けることが本来の緩みなき 離れを生むことになる。