05.06.2009 2009年度ドイツ全国大会の感想

今年のドイツ全国大会は、Hannoverで5月23、24日両日開催された。

団体戦について
初日は各州の代表の団体戦があり、7チームが参加した。今年は例年に比べ若手が多く参加しており、将来期待できる射手の良い経験の場となったと思われる。
しかし一方で、全国からわずか7チームというのは考えものである。 個人的に見ても、全国大会での団体戦の位置付けと意義がはっきりしていないと思われるし、又参加者にとっても魅力がなさ過ぎるのではないか?
反対に各道場で行われているBundesligaがここ数年で盛んになってきている。これは参加チーム数に制限がなく、各道場の稽古時間でひとチーム3名で行われ、年間に4回、各自12射記録される。又年末には上位のチームの決定戦が行われる。
このことからも、将来全国団体戦の意義が益々薄れていくであろうと思われる。

個人戦について
2日目は個人戦が行われ、例年通り予選は各自一手による演舞。その後射技の採点の結果により上位16名がトーナメントに参加する。トーナメントは一組毎に射詰めで決定される。 問題点は予選では的中の有無が全く加味されない事。少なくとも一手で一本(50%)の的中は予選通過に必要ではないかと思われる。
個人戦もそうだが、参加者が全国のブロックから選ばれた人とはいえ、30人前後と少なすぎる。
であるから、せっかくの採点式の予選もほぼ半数が通過するという事に成っている。
質を追求するなら、やはり量がなければならないと思う。

個人的感想
参加者の中で数人ではあるが、素晴らしい心技体の一致した離れを見る事が出来た。但し、素晴らしい離れと的中を得る為にその前後に最大の努力を注ぎ、偶然ではなく、正射必中を目指している射手が少ない。特に全国大会での演舞では、的中のみでなく、その人の弓道に対しての姿勢が表現されなければならないと思う。個人的にはもっと基本体を含めた奥の深い弓道を表現してほしいと思う。

今後の期待
ドイツでは全国で約1200人の会員が登録されており、その内大会参加可能性のある人は200-300人ではないかと思われる。
全国大会とは読んで字の如く大きな全国的は集いの場であり、通常では一緒に弓を引く機会のない人の射を見る良い機会となり又、親好の場となるべきである。
試合結果については、参加者の質、量に左右されるので、自己の持っている能力を試合の場で出し切れるかどうかが本来の目的と成るのではないかと思う。
このことから、個人的には今後は団体戦をなくし、全国オープン参加の個人戦を望む。
仮に300人参加したとして、5人立ちで借りに8分かかるとしても、約7-8時間で各自一手終了する。参加者の内容にもよるが、初日5時間、2日目2-3時間の予選後、グループに分けて(有級者、1.2段、3.4段、5段以上)射詰め決勝を行ってみてはどうであろうか?