08.03.2010 精神的な狙いの狂い

以前はかけ、弓、矢を新調した時に、一時的に的中が落ちたが、直ぐに元の的中率に戻っていた。しかし、ここ2-3年は道具に変化がないのに、的中率がどんどん下がっている。この機会に自己で的中率が減少している原因をいくつか分析してみたいと思う。

行射後に射の内容を反省すると、しっかりと的を狙っていない事に気付く。矢所は中りに関わらず的の中心から右側に固まる。又狙いをみてもらうと矢所と一致している事から、射は良くも悪くも安定しているが、本人の意識で的の中心を狙えていない事がわかる。慢性的に意識的に狙えない精神状態であると言える。 当て気が強いと言うと悪く聞こえるが、当て気が無いもの癖の一つであると思う。気持ちが的から離れており、的への集中力が失われている。 以前調子の良いときは、会で離れの時期を待てる余裕があり、精神的伸び合いの中で離れる前から中りの感触があった。最近は会でこの余裕が失われ、精神的な凝りがあるようである。

射術については、形に捕われ過ぎているのでは無いかと思っている。以前は会での状態が良いものの、射全体の流れの結果ではなく、引き分け後半で良い状態へ持ってきていた状態であった。ここ数年は会までの射の流れ、理想の自然な会を作るための努力をしてきたが、結果的に形に拘り過ぎて、肝心の良い離れに結びついていない結果となっている。全くの無駄とは言えないが、射の本来の目的(的中、矢飛び、貫通力)から離れてきている事は現実である。

弓道は引けば引く程上達するものではなく、時には引けば引く程下手になることもある。稽古の目的は良い状態を癖付けし、更なる向上を目指す為のものであるのであるが、精神的、又は技術的に問題があり、その状態で稽古を続けると癖になり、元に戻すのが難しくなっていく。 今までに早気、遅気、もたれ、緩み等やはり精神的癖を克服してきたが、今回の狙いの癖の修正は時間がかかりそうである。