23.03.2010 よい射のイメージをつくる為には

弓道上達の為には、よい自己の射のイメージを構築し、その目標に向かっての稽古を行う事である。今回は一つの例をあげて説明してみたい。
多くは、例えば奇麗な射をする人をみて自分も奇麗に引きたいと思う。目標としては、先ず、何故その人の射は奇麗に見えるのか?を考える事である。見た目だけを真似しても、もちろん射の本質から離れ、チグハグな射となり、もちろん的中も望めない。

-見取り稽古-
奇麗に見えると言う事は、先ずその人の骨格にあった射形であり、弓と体の力のバランスがとれている、自然な呼吸(息合い)がとれおり、射の流れが自然である、動作に無駄が無く、隙がないといった事である。更に目使いに集中力が見える等、精神状態が良い事も奇麗に見える条件にもなる。反対に奇麗に見えるがどこか不自然で、無理がある場合がある。又バランスがとれているが的中が無い場合は、どこかで整合性が崩れている。これを見取る事ができれば、自分でそれが出来ているか問うことが出来る。

-工夫稽古-
稽古の目標は、自己の骨格に合った八節が行われているのか? 弓の力が左右均等に体で受けれているか?
 弓力が自分の体力にあっているのか? を分析し、それぞれの諸条件が整った場合に、自分の体で理想の射がどうゆう風に行われるのか、頭の中で映像化する必要がある。更に、理想の射の映像の詳細を加える為に、現在の自己の射の分析をする必要がある。これには鏡の前で行射を行ったり、ビデオで取った映像をみると良い。現在自己の射を基に、理想の射を重ねてみる。
更に見た目だけでなく、体感イメージを映像に重ねて行く。これには、理想の射が行われた時に体のどの部分にどれだけの力がかかってくるか? 自然の呼吸にあった理想の動作の速度、間隔はどうか? 会から残身までの精神状態のシミュレーション等を作り上げていく。この感覚と映像を更に具体化することによって稽古の目標が明確し、稽古を重ねる毎に更に精度を加えて行くと良いであろう。

一般的に理論的な分析力、思考力は左脳で行われるが、それを具体化する為に、右脳を用いて映像化出来る人がいわゆる、物わかりの良い人で、要領が良い人のカテゴリーに入る。弓道でも、指導された事、見た情報をいかに鮮明に映像化出来るかが、上達の早い遅いを決定すると思う。弓道の口伝も多くは理想の射を映像化させ、〜のように、〜如くとしているものが多くある。