10.08.2011 2011年度ドイツ全国大会の感想

今年度の全国大会はアーヘンで開催され、団体戦の審判、個人戦での評価委員として、又5段以上の部で参加者として参加した。

この5段以上の部は通称「先輩の部」と呼ばれ、着物で行射を行う。昨年から一手4回で各自計8射となっており、ちょっと矢数が多い感じがする。 個人的には高段者の部では、見本となる射技、射法、基本体の演舞を行うことが重要であり、多く矢を引くために参加している人は皆無であろう 。例えばだが、一手のみの演舞を行い、皆中者へ皆中賞を、1位から3位までを射詰め決定とした方が、一射毎の重みが増すのではないかと思う。

今年は、初めて有級者と有段者の個人戦が一週末に行われた。有級者の射は全体にまだまだ荒削りで、全体にこれといった射は見られなかったが、優勝者だけは(個人的に)別格であったと思う。彼は8射皆中で、常にバランスのとれた引き分けから、余裕十分に会に入り、じっくりと的へ集中する姿は、大変見応えがあった。将来が大変楽しみである。

毎年の事だが、ドイツでは試合と言えば、「出来るだけたくさん引かなければ試合に来る意味がない」だとか、たくさん引く事が、「本来の勝者」を決定する唯一の方法と思っている人が多い。 実際には、試合で自己の持っている能力を出し切ることの方が遥かに重要だと思う。 個人的には、少数で多く矢を射るよりは、試合の矢数が少なくとも、全国から大勢集まって、色々な射が見れる方が良いと思う。