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16.12.2005

腰を活かす

弓道に限らず武道では、腰を活かす事が非常に重要である。いかなる姿勢・動作に於いても腰を先ず安定・移動させる事によって、足と上体が自然とが一体となる。 腰を安定させる為には、日頃の間違った位置ではなく、丁度臍が正面に向き、丹田の圧力によって後ろに押される力を受けつつ、背骨を垂直にする様にする。この様にすると自然とひかがみ(膝の後ろ)が張り気味になり、後ろの線が整う。身体の前はこれによりゆとりができ、弓懐が生きてくる。 会の状態では矢は上方から見て足の線と平行に重なり、自然と狙いを目で付けなくとも自然と矢は的に向かっている。つまり腰で狙いを付ける事が重要となってくる。 一般的に身体の動く部分(両腕)よりも、動かない部分(腹・腰、両足)の力の方が、強くなくては安定した射の完成はない。離れで上体が動く又、重心がひどく移動する際は腰が安定していない事が多い。足・腰を鍛える為には、体配で座る・立つ稽古を繰り返す事が一番である。この繰り返しにより、射と体配が一体となり、よって良い射が生まれるとも言えよう。