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10.02.2006

行射と残身

行射は流水の如く、残身は開花に似たりと言われる。

先ず行射を行うときには息合いに気を付け、又体と心の凝りをなくし、あたかも水が滞りなく流れるように行う事を示している。前回の行射の間合いと速度でも述べたが、物見の際の動き、弓・腕の動きは徐々に動き出し、緩やかに力の方向が変化するようにしなければならない。この稽古は射品・射格の向上につながる。又これらは、外面だけではなく、的に対する不動心と平常心を保つ事にもつながる。

残心は、射の集大成であり、開花に似たりと言われるように常に意識して最大の努力を払う様に心がける。弓倒しと物見返しも通常は残心に含まれるが、ここでは離れの直後を指している。その後の弓倒しはあたかも花がゆっくりとしぼむ情景を写し出すとよいと思う。

稽古ではこのような理想の絵に近づくように努力する事が重要である。